国交省が「病院及び診療所の緊急点検」結果を発表
平成25年10月に起きた福岡市の整形外科火災事故を受けて、病院及び診療所の緊急点検が実施されておりましたが、その結果の公表が、国土交通省住宅局建築指導課より発表されていますのでご紹介します。
今回緊急点検の対象となった病院と診療所は、全国で16,087件あり、この時点での報告件数や報告率は不明ですが、
緊急点検結果から、およその施設の現状を読み取ることができそうです。
平成26年1月15日時点で、「無届による増改築等を把握したものの件数」が541件あったとされ、また、防火設備において「建築基準法令に関する違反を把握したものの件数」が1,724件あったと記載されています。
その中で「防火設備の閉鎖又は作動の状況」が910件と、やはり防火戸の適切な維持管理ができていない施設がたくさんあることが分かります。
「閉鎖又は作動の障害となる物品の放置の状況」も362件あることからも、施設を使用するうえで防火設備周辺の利用に関する認識不足が読み取れます。
報告されているものは、全体の一部にすぎないことから、現実にはもっと多くの施設でこのような不備があることでしょう。
無届の増改築に対する法的な認識の不足はもちろん、万が一の時に必要な防火設備等へ対する日頃の認識が低いと言えそうです。
施設のオーナーや管理者からすれば、費用のかさむ問題で悩ましい部分かもしれませんが、建物管理の不備から、人命が失われる事件が起こり得るという事がまざまざと見せつけられた以上、やはり万が一を想定して、指摘された問題個所を放置せず、適切な管理を心掛けて頂きたいと思います。
[参照]
国土交通省 - 報道・広報
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000462.html
http://www.mlit.go.jp/common/001026614.pdf