建物調査・検査道具
打診棒
『打診棒』は外壁仕上材の調査の時に使用する道具です。
打診棒という名前から、外壁を叩いて調査する道具のように思いますが、実際には、外壁をなでるように転がして、反響音の違いによって外壁タイル等の“浮き”の発生を確認します。
浮きが発生している箇所は、仕上材の裏に空洞ができている為、反響するような音になり、しっかり接着されている部分とは音が変わります。
最もよく使用するのがこちら。
土牛 打診棒 NO.7
長さが一番丁度良く、使い勝手の良い一品です。強度も問題なし。
もっと高い部分の打診をする場合はこちら。
打診棒 ロング2000
多少重くなりますが、高い箇所の打診には重宝します。
打診棒は1年も使用していると、先の球の部分が摩耗により擦り減って丸くなくなってきますので、ある程度のところで消耗品と考えて買い替えが必要でしょう。
その他には、先端の球が回転するものもあります。
土牛 かぼちゃ玉打診棒 レギュラー
先端部分が「かぼちゃ」ような球になっており、外壁面にあてる際に回転して転がる為に、外壁を傷めにくく少しの力でスムーズに調査ができます。ただし、使用した感想としてはコロコロと先端が回転する分、打診の音に雑音が入ります。浮きを判定するには問題ないかと思いますが、一般の打診棒の方が音は聞き取り易いように思います。
好みや、使用場所に応じて使い分けるのがお勧めです。
非常用照明 点検フック棒
非常用照明や誘導灯の点灯チェックを行うための道具です。
災害時など一般電源を失った場合でも、内蔵のバッテリーで点灯します。火災等で避難する際には非常に重要な設備になります。器具にはチェック用のフックがついており、これを引っ張ることで電源を内蔵バッテリーに切り替えます。
その為に必要な道具がこちら。
非常灯点検フック棒 01223
コンパクトで使いやすい点検フック棒です。天井高が一般的な場所では十分ですが、吹抜けなど高所に設置されている場合には届かないことがあります。その時はこちら。
非常灯点検フック棒 ロング2000
その他に便利なアイテムが有ります。
この点検フックは、前項の「打診棒」先端に取り付けることで、点検フックの役割ができるという一石二鳥の優れものです。
取付取り外しは、慣れればそれほど気になりませんが、やはり使い続けると劣化によりジョイント部分が割れてきます。また気温の低い時は、打診棒にはめ込むプラスチック部分が固くなり、取り付ける際破損しやすいと感じます。
打診棒を持っている方は、追加で持っていれば便利なアイテムですし、万が一の時の予備として持っておくのもお勧めです。
土牛 非常灯バッテリー点検フック
レーザー距離計
レーザー距離計は、建物調査に限ったものではありませんが、作業効率が非常によくなる便利なツールです。
調査中も様々な場面で距離を測ることがありますので、一度使い始めると手放せなくなる一品です。
使用箇所や使用方法によってメジャーと併用することがベストだと思います。
手頃なものでも十分に計測できて、その正確さに驚きます。ただし室内向きです。屋外でも使用できますが、距離が長くなると計測が難しくなります。
BOSCH(ボッシュ) レーザー距離計[GLM50]
タジマ レーザー距離計 タジマ F04 紙箱 LKT-F04BOX
屋外の明るい環境でもしっかり計測する必要のある方は、次のようなタイプがあります。値は張りますがレーザーが違います。高機能な性能に加え、現場作業では気になる防塵や防水の性能を備えたものもありますので、どこまでの用途に使用するかによって機種を検討するのがいいと思います。
BOSCH(ボッシュ) レーザー距離計 [GLM150]
BOSCH(ボッシュ) レーザー距離計 [GLM250VF]
タジマ(Tajima) レーザー距離計 ライカディストD510 DISTO-D510
テンションゲージ
建築基準法に定められている定期報告では、防火扉の閉鎖時の「運動エネルギー」と「閉じ力」を計測しなければなりません。
(※改正告示 平成17年国土交通省告示第1392号)
その「閉じ力」を測定する際に使用するのがテンションゲージという計測ツールです。
防火戸の閉鎖時に頭を挟まれる危険性等がある為、閉じ力は150N(ニュートン)以下することとなっています。なかなか150Nと言われてもイメージがつかないかもしれませんが、実際100Nを超えるとすごい勢いです。
調査をする中で、勢いよく閉まる防火戸も珍しくありません。ドアチェック(ドアクローザー)で閉鎖速度の調整が可能ですので、定期的な点検で問題のある箇所は調整が必要です。
定期報告で使用する場合は、150N以上測れるものが必要です。
カノン棒形テンションゲージTK20000CN
照度計
建築基準法の定期報告において「建築設備」定期検査の非常用照明の照度測定に使用します。
照度計の操作に関しては、特に難しい点はありません。照度を測定したい場所にセンサー部分を置き、表示されている照度を記録して行きます。
測定箇所は、「避難上必要となる部分のうち最も暗い部分」となっており、建物の避難経路を把握したうえで測定箇所を選んでいきます。
照度計はピンからキリまで様々あります。必要とされる1ルクス以上の照度が測れれば良いので手頃な価格のものでも問題ないと思います。ただし、センサーの精度や耐久性、レコード機能などを求めるのであれば、やはり専門家向けのものが長く使う分には良いように感じます。
また床面で測定する為、照度計のタイプはモニター部分とセンサー部分が分かれた「セパレート式」の方が使いやすいと思います。
シンワ デジタル照度計 セパレート式 78747
マザーツール デジタル照度計 LX-1108
カスタム 照度計 LX1332D
風速計
建築基準法の定期報告において「建築設備」定期検査の機械換気設備や機械排煙設備の風量測定に使用します。
風速計は大きく分けて「熱線式」と「ベーン式」があります。弊社では熱線式を使用しています。
熱線式のものは、ほとんどが写真のような形になっており、先にセンサーがついており伸縮できるようになっています。
風速計も様々ありますが、専門家用のしっかりしたものは比較的価格が高いようです。センサー部分がデリケートな機器ですので、精度や耐久性等を考える必要があると思います。
カスタム デジタル風速計
PPLS 熱線式風速計TES-1340 0.01〜30m/s 微弱風検出可
CEM社 熱線式風速計 DT-8880
SENTRY社 熱線式風速・風量・空気温度計 ST-730
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- 2015/4/1