スプリンクラー設置補助の申請わずか 慎重な姿勢
平成25年10月の福岡市の有床診療所における火災を受けて、厚生労働省が設けたスプリンクラー等の設置補助制度があまり活用されていない現状が、毎日新聞や西日本新聞の記事により指摘されています。
スプリンクラーを設置する面積1平方メートル当たり17,000円の補助を出すことで、政府は2013年度の補正予算101億円を計上しましたが、それでも自己負担が高額となる為なかなか申請には結びつかなかったようです。
また福岡市の安部整形外科の事故を重くみた消防庁では、検討部会を設置し、対策を検討してきましたが最終的な結論に達していないことも、申請が低迷している要因となっていると指摘しています。
今後、スプリンクラー設置の義務化への内容が明確になるまで、しばらくは様子を見る診療所がまだまだ多数派といった印象ですが、スプリンクラー設置も含めた、火災時の様々な対策が施設側に求められていくことになりそうです。
さらに、スプリンクラーの設置のみならず、今回の事故の教訓から防火扉の検査対象を拡大する法案も提出されており、防火扉を専門に検査する国家資格の新設も検討されています。
[参照]
西日本新聞−生死分ける初期対応 博多・医院火災の教訓
http://www.nishinippon.co.jp/wordbox/word/7716/10463
毎日新聞−スプリンクラー設置補助申請進まず 有床診療所の17%
http://mainichi.jp/select/news/20140518k0000m040094000c.html
毎日新聞−スプリンクラー有床診療所設置、補助制度先走り
http://mainichi.jp/select/news/20140518k0000m040101000c.html